BORDERLAND

編んだ言葉、拾った言葉。

深夜、赤ん坊の泣き声で・・・

深夜、赤ん坊の泣き声で眼が覚めて、こわばった身体がうまく動かない。夢を見ていた。ゾンビのような人間たちの群れと、女の子たちのひそひそ話が連なったイメージ。夢だった、動き始めた頭に断片的な思いが押し寄せてくる、なんで生きてるんだろうとか、このまま死ぬのかなとか、悲しい、淋しい、つまんないとか。

新聞配達のバイクの音が聞こえた。ゆっくりと身を起こして赤ん坊の寝姿を見に行くと、案の定、布団を蹴散らかして寝ていた。オイルヒーターから絶えず高温のノイズが響いていた。